リストマークきずなの会だより第15号

後期高齢者医療制度
政府・厚生労働省のウソ

「これまでに比べて、7〜8割の人は保険料が下がります」??

 政府与党は当初、「これまでに比べて保険料は7、8割の人は下がる」と主張しました。が野党から根拠について問われると「正確なところはわからない」などとあっさり撤回しています。本当にいい加減な話です。逆に、全国各地で保険料がアップしたという話が次々と出てきています。
 特に多いケースは、「後期高齢者」の対象者の8割がこれまで加入していた国民健康保険から離れることによる保険料負担増です。国民健康保険では、夫婦一世帯で保険料をまとめて支払うことになっていたのが、「後期高齢者医療制度」は世帯でなく個人に保険料がかかるため、一方(例えば夫)が75歳以上の場合も、両方が75歳以上である場合も、二人別々に保険料がかかることになってしまいます。この場合、個々人を見ると下がる場合もあるかもしれませんが、二人分で見ると、2倍にも3倍にも保険料総額が増えるということが起こっているのです。

「低所得者は負担が軽減される」??

 これも事実にそぐわない説明です。これまで国保保険料に対し軽減措置を行ってきた全国39の自治体では、これまでの軽減措置が継続できなくなり、その対象となっていた低所得者の保険料額が大幅に増えることになります。「後期高齢者医療制度」は、制度の運営主体が市町村でなく、都道府県単位の「広域連合」なので、市町村独自の軽減措置ができなくなったのです。
 例えば、東京都23区では、2倍近くの負担増。年金額300万円未満のほとんどの人が負担増になるそうです。名古屋市では、軽減措置の対象者の保険料が約5倍になるケースもあるそうです。
 
「受けられる医療はこれまでと変わりません」??

“高齢者の医療を制限するもので許されない”と全国各地の医師会が強く反発しているのが、「後期高齢者診療料」。これは、高血圧、糖尿病、高脂血症、認知症などの慢性疾患をかかえた75歳以上の高齢者を診察する一医療機関(主に開業医)のみに支払われるものです。上限額が月6千円。分かりやすく言えば、高齢者が複数の医療機関にかかることを止めさせ、一つの医療機関だけにかかるようにし、しかも一ヶ月に6千円分の医療しか行わないようにする、ということです。大阪府医師会も、医師会会員に「後期高齢者診療料」について慎重に対処するよう通達しています。
 高齢者の方は、多かれ少なかれ複数の疾病をお持ちで、一つの診療所でそれを全部診てもらうのは無理があります。また一月6千円(自己負担は一割の方で600円)では、ちょっと高価なレントゲンや血液検査をすればすぐに越えてしまいます。これまで毎月行ってきた検査も、これからは半年に一回にしましょう、なんてことになりかねません。“これまでと変わらない”とは到底言えません。

「全ての県で健診は受けていただく」??

「後期高齢者医療制度」では、健診は「努力義務」に格下げされてしまいましたが、とりあえず、舛添厚労相は「今年度はすべての広域連合で特定健診を実施する」としています。が、75歳以上が健診から除外されるということが起きています。極端な例では、徳島県は、特定健診の対象を、歯科をふくめ直近一年間に一度も病院にかかっていない人に限定した結果、除外が97%に上るとのことです。厚労省も、都道府県の担当者に対し、75歳以上の高齢者が健診を受ける際は、申し込み時に糖尿病や高血圧の薬、コレステロールを下げる薬を飲んでいるか質問し、一つでも服用している場合は、健診の対象者から外し、受診率をおさえるように指導しているそうです。

 保険料は天引きできっちり取っておいて、医療や健診はできるだけ受けないように――こんなメチャクチャな制度をこのままにしておいてはなりません。




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